なぜ、Googleは『マンホールの蓋はなぜ丸い?』と聞くのをやめたのか?
Published on September 19, 2025
かつて、有名IT企業の面接では「頭の良さ」を試す奇問が流行しました。しかし、今やその手法は、候補者の本質を見抜けないとして廃れています。では、本当に「地頭の良い人」を見抜く、現代の「究極の質問」とは何か?本記事では、たった一つの実践的な問いで、候補者の思考OSを丸裸にするxdecode流の診断手法を解読します。
「思考力」ではなく、「思考プロセス」を観測する
Googleの奇問が廃れた理由は、それが候補者の「思考の最終的な成果物(面白い答え)」しか評価できず、そこにたどり着くまでの「思考のプロセス(どう考えたか)」を観測できなかったからだ。ビジネスにおける本当の課題解決は、一瞬のひらめきではなく、地道で論理的なプロセスの連続によって成し遂げられる。
では、「思考プロセス」そのものを観測するにはどうすれば良いか? その鍵は、面接の形式を「クイズ」から「シミュレーション」へと転換することにある。
我々がaptdecodeで用いる「仕様不明なバグ報告」というシミュレーションは、まさにそのための装置だ。これは、候補者に知識を問うのではなく、未知の、不確実な状況に、彼がどう立ち向かうかという行動そのものを観測することを目的としている。
『AptDecode』プロトコルの設計思想
我々のAptDecodeプロトコルは、候補者の「思考プロセス」を、以下の3つの段階に分解して観測・評価する。
- 情報収集(定義)
- 彼は、曖昧な状況を前に、まず「前提を疑い、問いを立てる」ことができるか?
- 仮説構築(思考)
- 彼は、限られた情報から、「複数の可能性を想定し、原因を構造化する」ことができるか?
- 行動宣言(実行)
- 彼は、「次の一歩を具体的に定め、行動に移す」ことができるか?
この3つの段階は、あらゆるプロフェッショナルな問題解決における、普遍的なOSだ。我々はこのOSが正常に機能しているかをチェックすることで、候補者の表面的なスキルや経歴の裏にある、本質的な能力を解読する。
あなたの面接を、明日から変える「究極の質問」
このxdecodeの思考法は、誰でも明日から実践できる。あなたの面接から、無意味な「自分を動物に例えると?」といった質問を排除し、代わりに、この「究極の質問」を一つだけ、加えてみてほしい。
「もし、あなたの顧客から、『昨日まで動いていたサービスが、なぜか動かなくなった。原因は分からない』という、曖昧な連絡が来たら、まず何をしますか?」
そして、その答えを評価せず、の答えに至るまでの思考を、前述の3つの段階(定義→思考→実行)に沿って、ただ冷静に観測せよ。それだけで、あなたの採用の精度は、劇的に向上するはずだ。